パンドラ3

−ギリシャ神話を巡る演劇・ダンスの3つの冒険− 双身機関×トライフル×よこしまブロッコリー

  2010年12月23日(木・祝) 双身機関 × トライフル
           24日(金) 双身機関 × トライフル × よこしまブロッコリー
           25日(土) トライフル × よこしまブロッコリー
           26日(日) 双身機関 × よこしまブロッコリー

  名古屋市千種文化小劇場
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稽古場レポート トライフル

例によって、双身の稽古を終え、食事を済ませてからの現場入り。部屋に入ったのは通し稽古が終わりかけるタイミングだった。
いきなり最終シーンを観たので、作品の構造を理解するのはままならなかったが、その場の空気が容易ならざることだけは伝わってきた。

ダメ出しを経て、返し稽古の例えばこんなシーン。
空から大量の紙が降ってくる。そこにはギリシャ神話や哲学の、様々な文句が書かれている。それを見つけた3人の男たちが代わる代わる、朗朗と読み上げる。犬は動物であり猫も動物であるから犬は猫であったり、アキレスは永久に亀に追いつけなかったりという有名過ぎる詭弁の数々。
台本は無く、彼らは半ば即興的にそれらの行為を繰り返している。私は片山雄一という表現者のスタンスがどちらかというと劇作家寄りだと思っていたので、これには驚いた。



その後、いくつかのシーンを見させてもらったが、どれも話している内容ではなく、詭弁や繰り言を果てしなく続ける人間の性根を問題としているらしい。これは若い役者が大半を占めるこの稽古場にとってはさぞかし大きなハードルだろう。何しろ台本どころか、ここでは役名すらほとんど与えられていない。役者たちはいちいち、今ここに立ち、訳の判らないことをまくし立てている私は一体誰なんだ、ということを自問し続けないことには一瞬たりとも居られない。当たり前、と思われるかも知れないが、演劇とはそれ位、台本という制度に守られて成り立っている表現なのだ。(一般的にはね。もちろん、今回パンドラ3に参画している集団はそんなことありません)
まぎれもなくこれは、演劇という制度に対する片山雄一の挑戦状だ。

かといって、この現場がいかにも眉をしかめて考え込んでばかりいるかというと全くそんなことはない。片山君のくだらない冗談にはますます磨きがかかっているし、役者たちにも笑顔が絶えることはない。究極には、前述のシーンで紙が降ってくると、最初に発見した男は「あ、神だ!」と叫ぶが、後の二人は「あ、紙だ」と言う。この、「神だ」「紙だ」のやり取りは他のシーンでも行われる。こんな立派なオヤジギャグを飛ばせるとは片山君も年輪を重ねたものだ。このベタなズレはしかし、単に私のようなオヤジを癒すためだけの仕かけでは勿論ない。これはギリシャ神話あるいは悲劇という、高尚だったり深遠だったりする素材を現代の私たちの立ち位置に引きずり込むための周到な準備作業なのだ。
それが証拠に夥しい神、いや紙には時々こんな俗なフレーズも・・・いや、これはさすがに観劇の楽しみを奪うのでやめておこう。



無事にこのハードルをトライフルの面々が越えられるのか、正直なところギリギリの賭けだと思う。しかし、どこにどう転ぼうが観客の皆さんは今まで観たこともないパフォーマンスを目撃するだろう。観劇なんてどうせ道楽なんである。物珍しい、こうした舞台にこそ足を運んで楽しんで頂きたいと率直にお勧めする。

ジャコウネズミのパパ(双身機関代表)











| 稽古場レポート | 23:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
稽古場レポート よこしまブロッコリー

私が練習室にお邪魔したのは、双身機関の稽古が夕方に終わり、近所の喫茶店でのんびり食事をしてからだった。「最初の1時間は基礎だから、どうぞごゆっくり」という優しい言葉に甘えてのことだったが、果たしてそろりと部屋に入るとまだ基礎練は続いている。双身でもやってる位置取りってやつだ。空間を全員で取り囲み、その中に一人ずつ入っていく。その都度、他人との距離感を図りながら一番落ち着く地点を探り続ける。1巡すると同じことを今度は目を閉じて繰り返す。これをかれこれ1時間以上もしつこくやっているのだ。おそらく俳優たちの神経はミクロの単位まで微分化され、研ぎ澄まされていることだろう。私がよこしまブロッコリーの舞台からいつも感じ取る繊細さは、こんな果てのない地味な作業の上に成り立っているのだ。

基礎練をほとんどやらない劇団も多いし、もっと多いのは基礎が終わるとたちまちゼロにリセットされ、シーン稽古に何も反映されていない劇団だ。これではお金を取るに足る俳優のワザなど培われようもない。その点、よこしまブロッコリーの稽古は時間が切れない。位置取りで現れる距離感・空気感がそのままシーンに持ち込まれる。

たとえばカップルと思しき男女が具体的には判らないが何か極限的な状態にある。その状況は台詞に書かれていないため、俳優たちはそれを体で現わさなければならない。しかも相手がいる。置かれた状況を強く持ちすぎると相手との関係がうまく取れないし、関係を強く取りすぎると今度はその場の緊張感が薄れてしまう。この2つのバランスを取るために向きを様々変えてみたり、台詞の音圧を上げたり下げたり、たった数分のシーンを成立させるのに実に膨大な時間をかけているのだ。しかもただでさえ繊細なこのやり取りが、同じくらいに繊細なもう一組の男1人女2人のやり取りと同時進行している。俳優たちはさぞかし大変だろうが、彼らの体に負荷がかかればかかる程にその場の密度は確実に上がっていく。

こうした繊細さは、この日稽古していたもうひとつの場面でも貫かれている。こちらでは男2人が会社の(?)マドンナの気を引こうとお洒落な、あるいは多少気障な会話を繰り広げる。もちろん台詞に現れないところにメチャクチャ複雑な心理と駆け引きが展開されているので俳優たちはほとんどパニック状態だ。けれど素知らぬ顔でお洒落なイタリアンの話をしなければならない。普段も、そして稽古場でも演出のにへい氏は常に温厚だけれども、やっぱりこの人はサドだ。私はよこしまの俳優諸氏がいつも口にしていることを内心こっそり追認した。

和やかながらも実に緊張感の高い稽古場だったが、聞けば2つのシーンの内、2人は代役だという(11月のトライフル公演出演のため)。これで本役が出揃ったら一体どんなことになるのか?本当に本番が楽しみで仕方がない。
ジャコウネズミのパパ(双身機関代表)

※稽古見学は11月21日(日)、アクテノンにて

| 稽古場レポート | 11:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
稽古場レポート 双身機関

 稽古場に到着すると延々と合気道の組み手をしていた。人の身体はこうされると、こう崩れる。例えばそういったことを互いに言葉を交わしながら探求している。自分の身体で実感し、相手の身体で確かめる。聞けば、ヨガも基礎メニューに取り入れているそうだ。俳優は身体の理を知り、自らの身体を使って実践していくもの。稽古場に漂う俳優達の尽きない好奇心と探究心は、作品を支える背骨にきっとなる。そして何より今回はダンス作品だ。こうした身体への作業は作品の基礎体力になる。

 そして始まった作品稽古。通し稽古ではないので、まだ全貌は見えない。だが、演出家ジャコウネズミのパパから投げられたイメージを、俳優達が自らのアイデアで投げ返して行く。一つ一つのアイデアが重なり場面が浮び上がって来る様は充分に本番を期待させる。

 特に喋り手から発された言葉に反応して身体を動かして行く場面。言葉を意味としての理性だけで捉えるのではなく、身体に入って来た言葉の音や温度、湿度といった質感にも反応していく。もちろん、飛んで来るニュアンスを受け取るといっても、発せられる言葉に強度がなければ、つまり他者に伝わる言葉でなければ、コミュニケーションは成立しない。なんてライブ感のある試みなのだろう!ジャムセッション、そういう言葉が一番当てはまるかもしれない。最後に、作っている途中のある場面を目撃した。哀愁、憤り、思慕…胸に沸き起こる感情はまさにジャコウネズミのパパの作品であり、まさに双身機関の作品でした。皆さん、お楽しみに。

にへいたかひろ(よこしまブロッコリー)                 

 

| 稽古場レポート | 14:19 | comments(0) | trackbacks(0) |

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12月23日(木・祝)
1.トライフル 2.双身機関
12月24日(金)
1.よこしまブロッコリー 2.双身機関
3.トライフル 4.アフタートーク
12月25 日(土)
1.よこしまブロッコリー 2.トライフル
12月26日(日)
1.よこしまブロッコリー 2.双身機関

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下記内容にて開催します。


折込方法:一斉
部数:700部
日時:10年12月21日(火)19:00開始
会場:千種文化小劇場ロビー
どうぞよろしくお願いいたします。
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