パンドラ3

−ギリシャ神話を巡る演劇・ダンスの3つの冒険− 双身機関×トライフル×よこしまブロッコリー

  2010年12月23日(木・祝) 双身機関 × トライフル
           24日(金) 双身機関 × トライフル × よこしまブロッコリー
           25日(土) トライフル × よこしまブロッコリー
           26日(日) 双身機関 × よこしまブロッコリー

  名古屋市千種文化小劇場
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パンドラ3 演出家鼎談『ゼウスとワルツ!』vol.4



いよいよ演出家鼎談、最終回です。
3演出家は、それぞれの観点からギリシャ神話をどういう形で舞台に乗せるのでしょうか。

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『ゼウスとワルツ!』vol.4~ギリシャ神話の調理法?~

にへい : 片山君との話は、ギリシャ神話から始まって、最後は今度のトライフルの作品の話になったんですけど、双身機関はどういう形でギリシャ神話に取り組んでいますか?先日、稽古見学をさせていただいたとき(稽古場レポート参照)、とても刺激的な作品になりそうな匂いも嗅ぎつつも、抜き稽古だったので、どういう風にシーンが重ねられて行くかとか、僕の妄想の域を出てないので(笑)。ちなみによこしまブロッコリーは現代劇の中に取り込む形ですね。
ジャコウ : そうですね。妄想は描いてる間が一番楽しいと思うので、どうぞ当日まで大切に持ち続けて下さいと言いたい気もしますが(笑)。いやいや、うちは割と神話そのままというか、ヘシオドスの「仕事と日」に出てくる“五時代の説話”を読みつつ、そこから得たインスピレーションで動きを創っています。まあ、それだけでは何だかなあ〜ってことになるので色々他のテキストも混ぜていますけど。
ヘシオドスで面白いのは、神と人間の二つの立場ともう一つ、仲立ちとしての本人の視点が存在してるわけです。で、僕らは一番出来損ないの第五の種族として未だにダラダラ続いてるんじゃないかってのがあって(笑)、一方の神がご先祖様だとすると、ヘシオドスのテキストがうまいこと繋いでくれる気がするんですよね。そんな感じで、いにしえと現代が混在する作品になってるといいなあ〜って、希望的妄想を拡げています(笑)。



にへい : 希望的妄想、いいじゃないですか、どんどん拡げて行きましょう(笑)。話を戻して、そうか、そういう構成になってたんですね。これは先日、双身機関の出演者の櫻井さんにインタビュー(役者インタビューのコーナー参照)したときも感じましたし、今回のタイトルに「パンドラダンス」ってあるように言葉だけじゃなくてダンスでってところが好いですよね。ギリシャ神話をそのまま言葉だけだと耳だけで聞いて終わってしまうかもしれない。ダンスの要素が入ることで、想像しながら観ることが出来ますよね。今、目の前で何が起こっているんだろうって。それこそ、それぞれが思った妄想をどんどん拡げながら観れるというか(笑)。でも、これは僕の妄想かもしれないですけど、タイトルのダンスって意味深ですよね?「パンドラダンス」ジャコウさんの話を聞いたあとで改めて読むとなるほどねって楽しみになってきます。
ジャコウ : うわあ、一気にハードル上がりましたね。失敗できないジャン、これ(笑)。が、が、が、が、が、頑張りまふ。・・ここで「まあ、期待しててよ。ふっ(キラーン)!」って、胸を張るのにいまいち照れるのが僕の悪い癖ですね。いまだに芸名名乗るのに微妙に小声だし(笑)。や、でも仰るとおり、神話のあの時空間は演劇よりもダンスの方がよく具現化できると思ったんですね。もっとも当初構想した時空間とはもちろん少しずつシフトしてる訳ですが。あとはずっと「身体表現としての演劇」を掲げ続けて、基礎訓練も舞踏とかヨガ、武術ばっかりやってる訳です。15年やってて稽古で発声練習したこと一度もない(笑)。だったら貯めこんだスキルを一度思い切り使って作品創ってみたいという集団としての欲求もありました。
にへい : 確かにアフタートークとかで芸名を名乗るとき少し小声ですね(笑)。でも双身機関の身体って、どこか、よこしまブロッコリーの会話劇と共通するところがあると思っています。これは千種セレクションの時も感じたのですが、いろんな演劇があるのですけど、人間の身体に起こることはやっぱり同じというか。そういう目線で、パンドラ3を観てみるのも面白いですよね。
ジャコウ : ぜひ、その目線で観て頂きたいですね。さて、にへいさんのギリシャ神話調理法について、もう少し詳しくお聴きしたいのですが。現代劇に取り込むってのは、まあそうなるんだろうなとは思いますが、取り込み方にも色々あるだろうと思うんです。ストーリーをそれとなく入れてるのか、登場人物の性格とか、あるいはテーマの部分なのか。ネタばれにならない程度でお話頂けるとうれしいです。
にへい : 僕の創作というか、よこしまブロッコリーの作品創りは台本を書くことから始まるので、まずは台本にどう反映させるかを考えました。これはギリシャ神話に限らずですが、神話っていかにして我々が現在に至るかっていう話だと思うんですね。そして、始まりがあれば終わりもある。そして古今東西、宗教も含めて、終末の話にはこと欠きませんよね。普段から執筆の時、日々はたくさんの終わりと始まりを繰り返しながら続いて行くというのを意識しているので、始まりと終わりというのにまず自分がリンクしました。それから、ギリシャ神話に話を絞っていくと、例えばパンドラのエピソードのようなことって、現代においてもいくらでもありますよね。「開けちゃいけないもの」に限っても、大なり小なり、幾らでもあって、知らないうちに開けられていることだってある。目に見える形で、また見えない形で、ギリシャ神話を散りばめて作ってありますね。



ジャコウ : 面白いっ!!今、固唾を呑んだ音聞こえました?(笑)つまりテーマやエピソードのようなものが断片的に、しかも形を変えながらそこここに隠されているって感じでしょうか?何度か話に出ているように、神話を、例えば俳優が神様になって演じてもどうしたって「な〜んちゃって」になってしまう。かといってただ読んでもつまらない。その点、よこしまの方法なら現代に生きる神話を、絶妙なバランスで描ける気がします。前回出ていたトライフルのアプローチにも僕はとても刺激を受けましたし、本当に企画の狙い通り3者3様の作品になってると思います。誰より僕が早く観たいな(笑)。ちなみに何となく今回は『ライフイズストレンジ』に近い雰囲気になるんじゃないかと予想していますが、どうでしょう?僕はあれ、好きだったんですよね〜。
にへい : 聞こえた気がします(笑)。ジャコウさんが書いて下さった稽古場レポートを参照していただくと分かると思うのですが、とてもよこしまブロッコリーらしいやり方をさらに発展させてってのをカンパニーとしては狙っていますね。でも、ジャコウさんの仰る通り重要なのはバランスです。『ライフイズストレンジ』よりぐっと複雑になってる感じですかね。でもあの作品を好きって言ってもらえるのは嬉しいですね。紛れもなくカンパニーの代表作ですから。いや〜、でもホント、ここまで3者3様なのってあんまりないから僕も楽しみですね。

ここで、片山君、再登場。

片山 : ということはあれですね、双身機関は神話をダンスで、よこしまブロッコリーはあくまでも実存する現在という形なのでしょうか?まだ拝見していないので、非常に気になります。多分どんなお客さんより僕が一番観たいです。申し訳ないんですが、今回の僕の芝居は「神」が出て来ます。デウス・エクス・マキナ(機械からの神)というエウリピデスのギリシャ悲劇でよく使われた手法で、最後に天井から籠に神様が乗って来て登場人物たちに「……であるぞよ」と告げ、都合良く解決へ導く手法があるのですが、それを何か違った形で使えないかなと思い、僕の中では今までと違うような作り方をしています。もちろん僕がゼウス役とか、最後に籠に乗って上から降りて来るとか、そういうことではないですけど(笑)



ジャコウ : やってよ、それ。観たいって(爆笑)。うちも神は出てきます。でも僕じゃないんだな。みんな僕がゼウスをやるんだろうって言うんだけど(笑)、そうじゃなくてゼウス的なものに翻弄されるただの男をやります。泣けるよ(笑)。神は・・ナイショ。
でもギリシャ悲劇の時代にもう機械という言葉があったんだね?どれが該当する単語なんだろう。つくづく奥が深いなあ、ギリシャ。うん、なんかね、片山君の書く戯曲って今までも物語的なところをわざと希薄にしてる部分があったと思うんだよね。物語にすると時間がどんどん流れちゃうじゃないですか。基本追憶だから、流れると困るわけよ。だから舞台上で話はあんまり展開せず、どっちかっていうと同じ時刻の周りをグルグルしてる。今立たされてるこの状況をしつこく描いてた訳だよね?そういう点じゃ、聴く限り今回もぶれてない。一貫してるよね、片山雄一(笑)。
片山 : どうなんでしょうかね。先月の2本立て公演で現在から過去を見る追憶の作品を1本、そして名古屋での現在から未来を見た反復の芝居を1本やって、自分の立ち位置を確認出来たかなとは思っています。ジャコウさんの言う通り、ほぼ同じテーマ(パンドラの箱)のシーンの繰り返しではあるかも知れません。ただ以前よりも少し先の未来を考えています。それはやはり2〜3000年前に書かれた神話や戯曲などを扱えたからではないかと思います。やはり神々も、それを記したギリシャ人も現在の僕らと同じ悩みを抱えてはいるのですが、同じことの繰り返しではなく、DNAの螺旋構造のように少しでも上に伸びるように、少しでも先に進めるようにという気持ちが今は一番強いです。ちなみに初期段階では僕もゼウス役の予定でしたよ(笑)



ジャコウ : 繰り返しになりますが、僕ら現代人はヘシオドスの書いた第五の種族の子孫だと思われてなりません。ここがダメ、そこがダメと言われる度にグサッと胸に・・(笑)。クドクドとゼウスとアメリカを被せてしゃっべてるのは本当に、本質が同じだからなんですよ。でも片山君が言うように、希望が全くない訳ではなく、あれだけ熱狂的にイラク戦争へ突き進んだアメリカ人がオバマを選んで必死に針を振り返そうとしている。僕、彼の就任演説はがんばって生中継最後まで見ましたよ。感動したね。まあ、チェンジのその後は海の向こうもこちらも怪しいんだけど(笑)。人間は決して自己を狂ったままにはしておかない。それが良心というものだ。今はそこを信じるようになりました。だから去年から作風が変わってるはずです。
にへい : 人って強くもあり、脆くもあり、したたかでもある。僕はそう思っています。僕は現在を描くことは過去も未来も描くことだと思っているんです。だから現在、何をしているかがとても大切。僕が現在感じていること、それがとても反映された作品にはなっていると思います。
さて、鼎談をずっと進めてきたわけですけど、語り過ぎると観る楽しみが減ってしまします。あとは劇場でのお楽しみということで鼎談をお開きにしたいと思いますが、お2方ともよろしかったですか?
ジャコウ : うちはネタばれ、平気ですけどね(笑)。でもここまで読んで下さった方に感謝です。ちくさ座でお待ちしています。にへいさん、片山君、お疲れ様でした。次は劇場で!!
片山 : お疲れ様でした。劇場というパンドラの箱の中で3組の競演をお楽しみ下さい。ジャコウさん、にへいさん、よろしくお願いします。
にへい : ジャコウさん、片山くん、お疲れさまでした。それでは皆さん、劇場でお会いしましょう!

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最後まで読んでくださったみなさま、ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか?

よろしければぜひ、会場へもお越しください。
12/24は混み合ってきておりますが、他の日時はまだ余裕がございます。

ご来場、心よりお待ちしております!


パンドラ3実行委員会 一同






| 演出家鼎談 | 12:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
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12月23日(木・祝)
1.トライフル 2.双身機関
12月24日(金)
1.よこしまブロッコリー 2.双身機関
3.トライフル 4.アフタートーク
12月25 日(土)
1.よこしまブロッコリー 2.トライフル
12月26日(日)
1.よこしまブロッコリー 2.双身機関

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下記内容にて開催します。


折込方法:一斉
部数:700部
日時:10年12月21日(火)19:00開始
会場:千種文化小劇場ロビー
どうぞよろしくお願いいたします。
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